
開院当初は、「糖尿病を診ているクリニック」ということがあまり知られていなかったことなどもあり、糖尿病の患者さんは多くありませんでした。
しかし、2019年に入り、当院が徐々に皆様に認知されるようになり、また札幌都心部にあった一部の糖尿病専門クリニックの閉院なども重なり、当院へ受診・通院される糖尿病患者さんは月を追うごとに増えていきました。
2020年はコロナ禍の影響で伸びはやや鈍化しておりますが、10月には定期通院糖尿病患者さんが上図のとおり400人を超えました。
糖尿病以外もそうですが、当院に通院されている患者さんの70%以上は中央区にお住まいの方です。中央区南部の山鼻という地の利、また札幌市の北部と比較して南部では糖尿病専門医が多くないこともあり、南区からの患者さんがとくに2020年に入ってから増加してきております。
当院を受診するきっかけとして最も多いのは、これまで他院に通院されていた方が「自宅から近いところに当院ができた・当院があるのに気づいた」、また「糖尿病については糖尿病専門医に診てもらいたい」ということなどで転医されるケースです。また、他の医療機関からのご紹介にて初診される患者さんも少しずつですが増加してきております。
当院の糖尿病患者さんの大部分は、すい臓から分泌されているインスリンの働きが悪くなっている「2型糖尿病」ですが、インスリンの分泌自体がなくなってしまっている「1型糖尿病」の患者さんもおられ、強化インスリン療法など様々な治療法に対応しております。

最後に、当院に6ヶ月以上定期通院されている2型糖尿病患者さんのヘモグロビンA1c(HbA1c)の推移をお示しいたします。集計対象となった307人の患者さんひとりひとり、背景や合併症の有無などさまざまですが、全員を平均すると初診時から約4ヶ月でHbA1cは1%強改善し、以後もその状態が維持できているという結果になりました。
血糖コントロールを改善させ、かつ良好な状態を維持することは大事ですが、それ以上に重要なのは「合併症を起こさせない・合併症を重症化させない」ことです。血糖コントロールがある程度改善した後から合併症が生じることも実にしばしばあります。
当院は、血糖管理のみならず、「合併症の予防・早期発見・重症化防止」のために、さまざまな仕組みを整え、スタッフ一丸となってこれからも日々努力を重ねてまいります。