202004

今年の札幌の春はまさに駆け足でやってきたというような感じで、当院周りの雪も3月末ですっかりなくなり、雪に覆われていた植栽の草花も全て顔をのぞかせました。
2018年11月に当院が開院して、これが3度目の春。
当院は、山鼻・伏見地域の内科かかりつけ医としての機能のみならず、中島公園以南の地域における糖尿病専門医療機関としての機能を担っており、2021年4月時点で約450人の糖尿病患者さんを当院でフォローさせて頂いております。
先日、山鼻地域のFMラジオ番組「山鼻、あしたもいい天気!」でもお話させて頂いたことですが、当院・さっぽろ山鼻内科・糖尿病クリニックの医療のコンセプトとは何か?

ズバリ「ひとりひとりの患者さんにしっかり、心を込めて寄り添う」こと。
それを開院以来ずっと、私たちは大事にしています。

当院には毎日、平均して22~25人位の糖尿病患者さんが来院していますが、まず患者さんが来たら、初めての方であれば看護師などが個室などで丁寧に問診をとります。2回目以降の方でも、診察や検査に入る前に、スタッフが患者さんのもとへ足を運んで、体調の変化はもちろん、その他生活上での変化や心配事などを聞き取ります。とくに糖尿病、ほか検診でしばしばある脂質異常症や高血圧の初診の方には、自覚症状や他の持病の有無のほか、病気そのものに対する不安や、もし治療を始めることになった場合に心配なこと、たとえば「食事制限をされると辛い」とか「医療費の心配」というような、患者さん自らが口にしにくいことも伝えられるように、専用かつオリジナルの問診票をつかい、それを元にさらに詳しく丁寧にスタッフが聞き取りを行います。その後、必要に応じて血液検査や尿検査などを行いますが、血糖値やヘモグロビンA1c、血中コレステロール値などの項目は院内検査を実施していて、採血から15分弱で結果が出ます。そこから診察などに入っていくのですが、当院ではこんな感じで問診や面談などを非常に重視しているので、とくに糖尿病で初診される方はお時間にゆとりを持ってのご来院をお願いしております。

糖尿病は、早期に発見しかつ早期からしっかりと手を打ち、そして安定期に入ったらそれを維持するということがきちんと出来れば決して怖い病気ではないのですが、そういったことが一見簡単そうに見えて、実際はなかなかうまくいかなかったりすることもあります。糖尿病の治療は、決して身体にメスを入れたりするような大掛かりなものではなく、今では治療薬も進歩してとてもシンプル・簡便なものなのですが、何らかの事情で治療が中断してしまう、安定期に入っていたとしても中断があると、一転して最初の時よりも悪い状態にまで戻ってしまいます。当院長は山鼻内科をつくる前に、大学病院や総合病院などで数多くの糖尿病患者さんを診てきましたが、「中断する」という点に限って言えば、働き盛りの人たちが、受診や通院の都合がつけられない、都合がつく曜日や時間帯に病院がやっていないというのがやはり主な理由であり、そのことは全国的な統計データでも明らかにされています。あとは、高齢者でない方々は、そもそも「病院」というものに縁が乏しい、「通院」といわれてもしっくりこないという所もあると思います。

そのような点も踏まえて、当院は開院以来、夜19時半までの夜間診療を毎週月曜日と木曜日、さらに朝7時半からの早朝診療を毎週水曜日と金曜日に実施しています。当院に通院されている糖尿病患者さんの平均年齢は約58歳と、全国平均からみても若い、働き盛り世代の患者さんが中心になっていますが、たんに夜や朝に診療をしているからというだけでこうはならないと思います。当院に通院されているある患者さんが仰っていましたが、スタッフひとりひとりの気さくさや丁寧さなどといったものが、つい足が遠のきがちな病院というものの雰囲気を変えてくれるような…そんな方向に作用しているんじゃないかなと思っております。

未だゴールが見えてこないコロナ禍の中、心身の健康に不安を抱えてしまう方も少なくないと思います。すっかり言い古された、ごく当たり前のフレーズですが、「病気だけではなく、ひとを診る、そして看る」こと。私たちは日々、それを純粋に希求してクリニックの診療をしています。私たちの仕事でもって、色々慌ただしい落ち着かない日々の中に、ほんのかすかな光だけでももたらすことが出来たらと願うばかりです。