新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言、そして外出自粛といった2020年4・5月期。
公的アナウンスの中には病院受診までもが「不要不急」と捉えられるものがあったり、また一部の医療機関で集団感染(クラスター)が発生したこともあり、医療機関への受診を気持ち的にためらってしまう方も少なくなかったと思います。しかし、当クリニックは患者さん達の不安を和らげられるような取り組みや、受診ルールの工夫などを行いながら、コロナ禍の中でも平常通りの診療を継続しておりました。


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患者数(電話再診等も含む)は、4月に比して5月は減少したものの、糖尿病患者さんは日によってばらつきはありましたが、診療日の全てでご来院があり、また新規糖尿病患者さんのご来院(他院からのご紹介や、札幌への転入に伴う転医)もありました。

 

さて、糖尿病患者さんの血糖コントロール状況ですが、ヘモグロビンA1c(HbA1c)には季節変動があり、3月頃が1年の中でのピークとなってその後は夏・秋に向かって低下傾向となるはずが、4月、そして5月と、2か月連続で上昇がみられました。年中で最も高くなるはずの2・3月期よりも4・5月でHbA1cが高くなるというようなことは、これまでの調査報告にはなく、コロナ禍が大いに影響していると考えざるを得ません。

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2・3月平均と比較して4月あるいは5月にHbA1cが0.3%以上上昇した患者さんは約半数を占め、また2・3月よりも体重が1kg以上増加した患者さんも約25%にのぼっておりました。


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外出自粛による身体活動量の低下(運動不足)や、相対的な過食(食べ過ぎ)などによって、血糖値や体重が増加したものと考えられますが、緊急事態宣言が解除された6月以降もしばらくこの影響は残るものと思われます。
やや脱線しますが、当クリニック院長はかつて帯広の総合病院で、HbA1cが夏季よりも冬季に+0.5%以上増加(季節変動)する患者さんでは糖尿病合併症のリスクが上がるかもしれないという調査結果をまとめ、専門学会誌にて報告いたしました。今回は「コロナ禍」という、季節変動とは違った状況でこうしたことが起こっておりますが、

 

「これまで糖尿病の治療を受けてきた患者さん」
「以前に糖の異常(血糖値・尿糖)を指摘されたけど、受診も再検査もしていない方」も、
理由はどうあれ、「コロナが終息してから受診」では、糖尿病自体の悪化、さらには合併症の発症や進行を来たして
手遅れになってしまいます。
受診がまだの方、あるいは治療薬などを1か月以上切らしている方は
コロナの「第3波」が来る前にまず受診し、必要な検査を受け、治療を開始(または再開)することを強くお勧めします。

 

★糖尿病をもつひとが、この「コロナ禍」とどう向き合っていくか?  日本糖尿病協会の特設ページにとても分かりやすくまとめられていますので是非参考にして下さい。


日本糖尿病協会の特設ページへ